千葉市
レコード本格復調 生産16年ぶり100万枚超 アナログな音やジャケットに若者興味
CDの普及で一時は衰退したレコードの人気が本格的に回復している。昨年の生産量は16年ぶりに100万枚を突破、生産額もこの7年で10倍以上となり、関連業界も盛り上がる。インターネット配信など音楽を楽しむスタイルが多様化する中、アナログの温かな音色が人々を引きつける。これまで“大人の趣味”というイメージが強かったが、本県でも若者がレコード店で名盤を手に取り、プレーヤーを買い求めるなど、人気は幅広い世代に広がっている。(政経部・金林寛人)
♪「柔らかい音」
「CDと違い、1点モノでコレクター心がくすぐられる。再発盤とオリジナルでは音が全く違う」。高校の時からジャズなどの名盤を集め、貸倉庫で保管する男性会社員(51)は熱く語った。レコードで聴くことで音楽の良さに初めて気付くこともあるという。
千葉市中央区のレコード店「ドロップス レコード」は、ロックやジャズ、クラシック、ソウルなど約2千~3千枚をそろえる。価格は180~4千円程度。川下圭店長(34)は「レコードは音が柔らかくて耳が疲れない。ジャケットを見て楽しむ人も」と魅力を明かす。
人気は若い世代にも広がる。月に2回ほどレコード店に通うという同市稲毛区のフリーター男性(25)は「昔から興味があって、プレーヤーが安かったので、1年ほど前からジャズのレコードを集めるようになった。CDが出ない作品が安く買える」と話す。
♪再生機に波及
レコードプレーヤーの売れ行きにも波及。ヨドバシカメラ千葉店によると、全店での5月の売り上げは前年同月と比べ約10%増加したという。千葉店オーディオコーナー担当の小林寛典さん(33)は「以前は60代以上が主な客層だったが、人気アーティストが新作をレコードで出したり、中古盤が安価で手に入ることもあって、ここ2年ほどでプレーヤーを買い求める10~20代の若い世代が増えている」とブームを実感する。
以前は3万円ほどのプレーヤーにアンプなどもそろえる必要があったが、ここ数年でスピーカー付きで8千円ほどの入門機が多く発売されるようになったという。小林さんは「手が届く価格で、若い層を取り込もうとしている」とメーカーの思惑を分析。実際、多くの若者が買い求めるのは廉価版という。
♪盛り上がる業界
日本レコード協会によると、ピークの1976年には約2億枚が生産されたが、82年に発売されたCDが手軽さや持ち運びやすさから広がると、主流の座を奪われ、2009年には約10万枚にまで落ち込んだ。
だが、近年はネット配信などでCDの生産量が減少する一方、レコードは増加傾向で、昨年は約106万3千枚と、01年以来の100万枚超えに。生産額も約19億2千万円と、最低だった10年の10倍以上にふくらんだ。
「アナログな音やジャケットのデザイン性を新鮮に感じる若者に支持が広がっている」と協会の担当者。
この流れに関連業界も攻勢をかける。ソニーミュージックグループは今年、約30年ぶりに東京都と静岡県の拠点でレコードの自社生産を再開。パナソニックも16年、生産中止となっていた音響機器ブランド「テクニクス」のレコードプレーヤーを復活させた。宇都宮市の工場で生産し、売れ行きは好調だという。
本日、千葉市花見川区幕張町自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて
千葉市中央区椿森国立医療センターに通院治療をされ戻りました。